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幼児期

当院の診療対象は原則小学校1年生以上の方となっております。ご不便をおかけし誠に申し訳ございませんが、何卒ご了承ください。

幼児期の大切さ ~療育センターでの10年の経験から~

こんにちは。江戸川篠崎こどもと大人のメンタルクリニック院長の三木敏功(精神科専門医・子どものこころ専門医)です。

当院では、原則として小学校1年生以上の方を診療対象とさせていただいております。

今回は、私がこれまで経験してきた「幼児期」の支援の現場についてお話ししたいと思います。
特に、療育センターで10年間にわたり多くのお子さんたちと関わった中で感じたことをもとに、幼児期の大切さをお伝えします。

幼児期は「診断」よりも「環境と支援」

幼児期においては、診断名をつけることよりも、その子がよりよく育つための支援や環境づくりが何より大切だと私は考えています。

子育て支援、療育、園での加配(加配保育)やプレイセラピーなど、心理社会的な支援が中心となる時期です。

この考えのもと、私は多くの保護者の方々とともに、その子らしい育ちを支えてきました。

幼児期は人生の「土台」

幼児期(おおむね1歳半~6歳頃)は、心と体の発達が驚くほど急速に進む時期です。

たとえば、脳は4~5歳で大人の約90%の重さにまで成長するといわれています。
この時期には、神経回路が活発に作られ、日々の経験を通して複雑につながっていきます。

身体の動き(運動)、言葉、感情、他人との関わり方――それらはすべてつながっていて、遊びや生活の中でバランスよく育っていきます。

とくに、身体を動かして感じる体験、愛着のある人との関わり、安心できる環境は、後の学習や社会生活の基礎となる「非認知能力」を育む土台となります。

療育センターで見えたこと

療育センターでは、発達に気がかりのあるお子さんたちに、その子に合った支援(療育)を専門的に提供します。

それは単に「できないことをできるようにする」のではなく、

  • その子なりの伝え方を見つける

  • 「安心していられる場所」を作る

  • 小さな成功体験を積み重ねて、自信や「やってみたい」気持ちを育てる

 といった支援を、保護者と一緒に行っていきます。

療育とは、将来必要となる認知面・社会性・感情の力を、その子らしいペースで丁寧に育てていく、「積極的な土台づくり」のプロセスだと私は考えています。

幼児期の経験が小学校以降の成長につながる

小学校への入学は、お子さんにとって大きな変化です。

遊び中心の生活から、学習中心へ。ルールや時間の中で集団行動を求められる環境になります。
「授業中に座っていられない」「友だちとの関係がうまくいかない」など、いわゆる小1プロブレムが見られることもあります。

私たちのクリニックには、小学生になってから学校生活で困りごとを抱えたお子さんが多く来院されます。
その背景を見ていくと、幼児期の育ちや経験が大きく影響していることが少なくありません。

非認知能力(自分の気持ちを伝える力、人と関わる力、好奇心、困難に立ち向かう力)は、学力以上に重要な力とも言われており、これらは幼児期の経験によって育まれていきます。

おわりに ~幼児期は未来への贈りもの~

幼児期は、あっという間に過ぎてしまいます。
ですが、その後の人生を支える「土台」となる、かけがえのない時期でもあります。

お子さん一人ひとりの個性を大切にし、あたたかく見守りながら、豊かな経験をさせてあげてください。
それが、お子さんへの最高の贈りものになると私は信じています。

もし子育ての中で、「あれ?」と感じることや気になることがあれば、一人で悩まずにご相談ください。
保健センターや発達相談センター、児童相談所など、地域の支援機関に気軽に相談してみてください。
早めの理解とサポートが、お子さんの可能性を広げることにつながります。

 

 

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