起立性調節障害
【起立性調節障害とは?-朝起きられない子どもたち-】
こんにちは、江戸川篠崎こどもと大人のメンタルクリニック 院長・三木敏功(児童精神科医)です。今回は、小中学生から高校生にかけて多く見られる『起立性調節障害』についてお話しします。
起立性調節障害とは?
「朝、起きられない」「頭痛やめまいがする」「だるくて学校に行けない」など、お子さんがそんな症状を訴えることはありませんか?
実はこれらの症状は、単なる怠けや精神的な問題ではなく、『起立性調節障害(OD)』という身体の病気が原因の可能性があります。
起立性調節障害は、自律神経のバランスが崩れて血圧や心拍の調節がうまくいかず、特に朝の起き上がりが困難になる病気です。
思春期に多くみられ、日本では中学生の約1割がこの症状を経験すると言われています。成長期特有の一過性の病気と誤解されることもありますが、放置すると長期化したり、学校生活に大きな支障をきたすこともあります。
主な症状
- 朝の倦怠感や頭痛
- 立ちくらみ、動悸、息切れ
- 腹痛、食欲不振
- 夕方以降になると比較的元気になる
これらの症状が続くことで、「学校に行きたいのに行けない」という状況が生まれ、不登校のきっかけになることもあります。
誤解されやすい病気です
保護者の方にとっては、「怠けているのでは?」「本人の気持ちの問題?」と誤解されやすい病気であるため、理解されずに苦しむお子さんも少なくありません。
しかし、これは精神的な問題や努力不足ではなく、自律神経の機能障害という明確な身体の疾患です。
当院での対応
当院では、起立性調節障害の診断・治療を積極的に行っています。
診断は丁寧な問診を通じて行い、治療としては以下のような方法を取り入れています:
- 薬物療法
- 睡眠リズムの調整
- 水分・塩分の補給
- 適度な運動のすすめ
学校やご家庭とも連携し、日常生活の支援も大切にしています。
最後に
この病気は適切な治療とサポートによって、多くの場合改善が可能です。お子さん自身が自信を取り戻し、前向きに学校生活や日常生活を送れるよう、当院は全力でサポートいたします。
もし、「もしかして起立性調節障害かも?」と感じられたら、お気軽に当院や他の児童精神科、専門の小児科にご相談ください。一緒に改善方法を考えていきましょう。