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「子どものこころ専門医」としてできること――薬物治療と多角的な視点で支える子どもたちの未来

[2025.04.30]

江戸川篠崎こどもと大人のメンタルクリニックの院長の三木敏功です。

「子どものこころ専門医」の資格についてご説明したいと思います。この資格は、小児精神医学・小児心身医学を基盤に、発達障害やうつ、不安、心身症、不登校、さらには虐待や家族関係の問題まで、子どものこころのあらゆる課題に専門的に対応できる医師に与えられるものです。小児科と精神科、両方の視点をもち、複雑な背景を抱える子どもたちを総合的に診る力が求められます。

これまで私は、精神科専門医として思春期から成人の患者さんと向き合い、また児童精神科の領域では不登校や発達障害の子どもたちの診療に携わってきました。そうした中で、薬物療法が有効に働く場面を数多く経験してきました。たとえば、不安で学校に行けなかった子どもが、適切な薬物治療によって少しずつ登校できるようになったり、注意欠如・多動症(ADHD)の治療薬が、衝動性や集中困難を軽減し、本人の自己肯定感を高めるきっかけとなったり。薬の力で「できること」が増えると、周囲のまなざしも変わり、本人の人生そのものが変わっていく。そうした変化を、私は何度も目にしてきました。

もちろん、薬物治療はすべての問題を解決する「万能薬」ではありません。しかし、適切な評価のもとで処方される薬は、子ども自身が本来持っている力を発揮する“きっかけ”となることがあります。私は、単なる症状のコントロールにとどまらず、「その子らしさ」を大切にした薬の使い方を常に意識しています。

また、心理士や学校、福祉機関との連携、保護者の支援も欠かせません。私は臨床心理士・公認心理師の資格も併せ持ち、心理面への深い理解を持ってチーム医療に取り組んでいます。医師としての医学的知見と心理職としての傾聴の姿勢。その両輪で、ひとりひとりの子どもに寄り添う診療を目指しています。

「子どものこころ専門医」として、医学・心理・社会の視点を総動員しながら、今後も子どもたちの健やかな育ちを支えてまいります。

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